熱湯

ベネデッタの熱湯のネタバレレビュー・内容・結末

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

権力構造に取り込まれながら、反発するように神への冒涜を行う。

火刑のシーンで群衆の力に圧倒された。他のシーンが静かな分、反動がすごい。

女性を抑圧することで、男性中心の世界が成り立っている。しかし疫病は、老若男女かかわらず襲いかかる。抵抗する手段のない自然によって、人工の秩序が崩れ落ちていく感じが面白かった(主題には関係ないが)
冒頭の主人公が修道院に入るとき「身体はすこし心地悪くしておくべき」的なことを話していて、欲望を解放した後半の伏線みたいになっていた。

マリア像を使い、キリスト教かつ実母への裏切りを行う。狙われたとおりにこのシーンはわたしの心に残った。
いちばん好きなのは、赦しを請うバルトロメアを横目に、火刑に向かうところ。綺麗な流し目だった。

近世以前、狂気は神に近いものとして扱われた。いまなら統合失調症で病院行きなのに。価値観は恣意的なんだなって実感できるから歴史って面白い。フーコーを思い出すなどする。

彼女にとって、すべては本当だったのだと思うの。この話において、虚実は重要でないのさ。

以下、本音
R18映画をみたのは初めて。少しいかがわしい視線で見てしまったのだが、なんか正しくない気がします。一体皆さんどんな気持ちなんですか。。。うら若い女性を性的搾取して、本当に申し訳ない気持ち。
ふたりが徐々に近づいていく感じは本当にドキドキした。いきなり行為に及ばないのがすごくすごく良かった。女の子は良い。
正直、男性が撮ってるというのは結構伝わってきた。拷問シーンは不快極まりない。あと処女がいきなり気持ちいいとか幻想(笑)と少し冷めてしまった。
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