レナ

ベネデッタのレナのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
3.7
もの凄く惹き込まれる熱量のある作品だった。
宗教を題材にしたものは、父方が神道・学校がキリスト教という環境を経て無宗教に辿り着いた私にとって、なんでも神のおかげ/せいにするな!等モヤモヤすることも多いのだが、この作品はその部分も含めてしっかり描いていたので、好きな作品になった。
この作品でも神の思し召しだから〜みたいなことをみんな言いつつ自分の利益を考えているようで、ベネデッタ自身もバルトロメアに神への愛って言ってるけどただの自己愛でしょ?と言われる。彼らの欲望が複雑に絡み合う様が見応えがある。
そして皆絶対的な正しさみたいなものにこだわりがちだが、そんなものはなく、ベネデッタ(神の御業)を信じるかどうかはあなた自身…という見せ方も良い。
同性愛が男性優位なヒエラルキーへの反抗の象徴になってるのだろうということは分かったが、この部分はあまりうまく機能していないように感じた。題材としては面白いし、史実だから変えようがないけど。

主演のVirginie Efiraの貫禄のある狂気がかった演技が迫力。そしてCharlotte Rampling、いつもいい作品に出るなぁ。Daphné Patakiaの目がデカくてすごい。
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