ごんす

べイビーわるきゅーれのごんすのレビュー・感想・評価

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)
4.5
自分はツッコミ所が許されるタイプの映画や分かりやすいジャンル映画はスコアを3.5とかつけて心の中で、
「でも4点満点の映画だから3.5はかなり高いわけで…」と呟いたりしているのだが、
この『ベイビーわるきゅーれ』は4点満点で4.5出たような感じです。

ストーリーは高校卒業間近の女子高生殺し屋二人が社会にも順応するためバイトもしなければならない、家事もしなければならないし、バイト先の人間関係をしっかり築けるか…そもそもバイトの面接に受かるの?などの問題にぶつかりながらも奮闘する殺し屋シスターフッドアクションコメディ。

この映画が大好きになってしまった自分としては更に沢山の人に気に入ってほしい気持ちがあるので、これから観る人が間違ったハードルの上がりかたをしない様に一応書いておくと、映画的に粗が無い!とかでは全然ないです。
そもそも二人が殺し屋をやってる理由がわからないから感情移入できないという人もいるかもしれないし(彼女達の理屈はあるようだが)
倫理観どうなってんだとか、そんな簡単にうまくいくかいとかツッコミ所もあります。

しかし、自分にはこの映画のそんな粗は例えるなら性格も顔も良い超イケメンを好きになったけど自分の理想より少しだけ背が低かった…程度の問題かと!
それを最重要視する人でなければ楽しめると思います!


金髪ショートカットのまひろを演じた伊澤彩織さんはスタントパフォーマーで国内外のアクション映画に参加している猛者で、特に体格差のある男達とのリアルなアクションシーンは必見!!
ジョン・ウィックのようなガンフーアクションがカッコよすぎる。

黒髪ロングのちさとを演じた高石あかりさんのふてぶてしいけれどかわいらしい感じも最高で相当な演技力の持ち主かと思われる。
ギャルの感じ悪早口はスキルが問われそうだ。
そこに銃のこなれた扱いも似合っていて、最高。
分かりやすくコミュ障のまひろよりは行動力があり、化粧しながら「私、もう次のバイト決まったよー?」というシーンがリアルすぎて、こんな子いるなーと思う。

この二人の会話だけでも毎週観たいぐらい面白い。

そして悪役達も良い味出してる。
メイドカフェにビジネスの可能性を見出だしたヤクザのパパと息子の面白いくだりや、
深みのある台詞は一切ないけど超強い銃に頼らない拳キャラ(ちょっと韓国映画アジョシの敵の奴っぽくて良い!)やアッパー系のヤクザの娘などいちいちツボ。
終盤の闘いは最高。

95分の尺の中で、自分が得意なこと以外もやらなければいけない社会と直面したり、向き不向きについて考えたり、それでも自分の輝ける場所はあるんじゃないかと奮闘する彼女達を観ると元気をもらえる。
かなり笑わせてもらえるのだけど、けっこうじんわりくるような伏線回収もあったり、脚本も秀逸だなと感じた。
そしてギャグセンスが異常に凄い。

阪元裕吾監督はこれからも追わなければ!
そして主演二人もこれから色んな作品で活躍しそう。
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