映画『ベイビーわるきゅーれ』は単なる殺し屋映画ではなく、殺し屋という舞台設定で描かれる「ユーモア溢れる会話劇」であり「2人の少女が社会に迎合しようと奮闘するジュブナイル映画」であり「熱い友情のバディもの」である。
また殺し屋という設定ではあるが非日常の世界を体験する裏社会科見学のような作品ではないところが良かった。
本作は非日常と日常が上手く混ざった独特の空気感を持っており、現実の作品や芸人のギャグをネームドロップしたリアリティのある会話と相待って、作品内の世界と自分の生きる現実が地続きであることを感じさせてくれる。
私を含めた日常に生きづらさを感じる大人諸君は、この作品を見終わる頃には主人公2人に親近感が湧きまくっていることは間違いないと思う。
以下他の面白かった点
・殺陣のクオリティが高い。特に打撃や寝技は格闘技ファンから見てもレベルが高かった。特にムエタイっぽい肘打ちのフォームが綺麗で面白かった。
・色々な社会不適合者が出てくるが、全て解像度が高く、変に刺さってしまう人が結構いるだろうなと思った。
・我々も理不尽な上司や先輩に「○すぞ」と思ったりもするが、本当はできないからこそ成り立つわけで、主人公達のように本当に○せてしまう人は逆に困るだろうなと思った。
