第七電機工房

べイビーわるきゅーれの第七電機工房のレビュー・感想・評価

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)
3.8
すごいすごいといわれていることは知ってたけど、予告編で何回か見てちょっとうまく入れないなぁと思ってました。
(漫画などで暗殺者物がおおすぎるのもあって。。。。。)
と、言っていた自分を色々悔い改めたい。

冒頭10分とラスト10分の格闘シーンは出色の出来
ザ・レイドを見た時のような衝撃を受けました。

まひろ(伊澤彩織)の格闘アクションは本当にワールドクラスになるのではないだろうか。
(すでにジョン・ウィックの監督にも見つかっている)
キャラクターとしては、コミュ障だけど完全な社会不適合者(でも料理はできる?)

男女の格闘シーンは、ウェイト差の違いで、少ない手数や単純な関節技などでは倒すことは難しい。
(特に拳での打撃はこぶしを痛めるので特に実戦であればあるほど使わないし、ウェイト差のある相手ではなおさら)

肘や頭突きなど理にかなった戦いをしないとおおよそ戦うことさえ難しい、敵役の渡部演じる三元雅芸さんにもちゃんと格闘やアクションの素養がないと成立しないアクションを高いレベルで成立させている。
※振付ではなく、どうやって倒せるか という伊澤さんのアドリブを交えて作っている。

ガンアクションは、エクスぺばりに、マガジン交換しなくて撃ちまくれるのは、せっかくすごいアクションなのにそこはマイナスかな。
(ピンチや見せ場の時にだけ弾がきれる。段取りのための演出になってししまっている)

ちさと(高石あかり)は舞台版禰豆子に選ばれる、和風なたたずまいの明るいキャラクターでこちらも頭のネジが何本か外れているガンマニア。

海外でもこの作品はカルト的な人気が出そう(ってもう出てるか。。。)
おそらく予算も多くない中で見せ方や工夫できっちりと取り切っているのはさすがの一言。

■伊澤彩織さんのActionReel 2019年版
https://www.youtube.com/watch?v=sOy-iXq5EpU
このアクションを観るだけでも価値はある。
殺陣、ワイヤー、打撃系、関節などオールラウンドに行ける。

日常はすみません、萌えとかが苦手で、その部分がのれなくてごめんなさい。
全体に会話について、聞き取りづらいところとか、セリフの面白さとかにうまく入っていけなかったので、他の方も書かれていますが、場合によっては字幕付きの環境で観たほうが良いかもしれません

*追記
シークエンスとしてアルバイトの場面は、ちさとは、「普通の暮らし」としてアルバイトの人たちに受け入れてもらって、居場所をみつけた。
一方、まひろは「普通の暮らし」のなかに入れないことを明確に突き付けられたことが表現されている。
だから、アイツラが来たあと、ちさとは「居場所がなくなって」とても悲しかった ということが表現されているので、私は苦手だけどもストーリーや演出として絶対に必要な場面だと思う

監督の 阪元裕吾さんはまだ20代ですごい才能だ。
ザ・レイドにも衝撃を受けたと話している
すばらしいアクションは、ストーリーを複雑にしなくても十分に魅せることができるということだ。

続編、3作目、ドラマ化もされる予定