ShinMakita

明日に向かって笑え!のShinMakitaのレビュー・感想・評価

明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)
1.8
2001年、アルゼンチンの小さな村アルシナ。ここでガソリンスタンドを経営する初老の男フェルミンは、30年前にプロサッカー選手として活躍したことがあり、人望を集める存在だ。そんな彼が、村で放置されている穀物工場を再建し、農協として機能させようと思い立った。親友のタイヤ修理人アントニオ、無人駅駅長ロロたちと共に村人を説得し投資を持ちかけていくフェルミン。何とか15万ドルほど集めたが、工場を買うにはまだ10万ドル足りない。そこで隣町ビジャグランの銀行に行き融資を頼もうとすると、支店長は「その15万をあなたの口座に預金してくれたら、融資の許可が下りる可能性が高い」という。15万ドルは村人みんなのカネだから貸金庫に入れるつもりだったフェルミンは少し躊躇うが、本社が融資の稟議書を受け付けるのは今日までだと聞かされ、意を決して全額を自分の口座に入れてしまうのだった。

翌朝、テレビのニュースが流れてフェルミンは驚愕する。政府が金融破綻・デフォルトを発表し、国民の預金が凍結されてしまったのだ。事実上預金を全て失ったフェルミンら村人たち。無能な政府に腹を立てるだけで泣き寝入りするしか無いと思っていたら、とんでもない情報が入ってきた。口座凍結を事前に知っていた弁護士マンシーが、その前日に銀行の支店長と組んで大量のペソをドルに替えて大儲けしたというのだ。俺たちの15万ドルは、マンシーに騙し取られたようなものだ…激怒したフェルミンたちは、マンシーからカネを奪還すべく行動を開始する…


「明日に向かって笑え!」


以下、中折れ式のネタバレは金持ちの象徴。


➖➖➖

悪徳弁護士から大量のドルを盗み出せ!という素人オッサン軍団の奮闘を描いたコメディ。主演は、ルックスが激シブなアルゼンチンの役所広司(俺命名)、リカルド・ダリンです。ドルが眠る地下金庫を攻略するのが話のキモになりますが、まぁ、それが良く出来ていてケイパーものとして単純に面白かった。金庫にはセンサーが付いていて、近寄るだけですぐマンシーの携帯電話に警報コールがかかります。センサーを止めるには金庫に通じる電力をシャットダウンさせればいいんだけど、そうすると金庫内の予備バッテリーが稼働してやはりマンシーに警報コールがかかる仕組み。まさに難攻不落の金庫に対して、フェルミンが仕掛けた作戦は、ヘプバーンのあの名作を参考にしたものでした。犯罪映画ファンにも人情喜劇好きにも、どちらも満足させる佳作。オススメです。
ShinMakita

ShinMakita