俳優たちの演技が映像から浮いていたけど、それがこの世界の空虚さを表現するのに良い方向に作用していた。
この映画に出てくるあみ子以外は、リアルの痛々しいものから目を逸らして、空っぽな人形を演じている様だった。
それでも、あみ子を見てる子が1人でもいるのは救いだった。
この作品で起こることはあまりに酷だし、誰も悪意を持った人はいない、どうしようもない現実を描いた映画は個人的に好みではないけれど、学校のオバケたちなど、あみ子を映像にどの様映し出すかという表現方法は好きだった。
ただこの映画で分かる様に、あみ子の周りで起こった出来事を自分たちの尺度で「悲劇的な少女」とカテゴライズするのも、自分たちの一種の傲慢さだと思う。
あの海であみ子が何を思ったか、想像できないけれども、前後の出来事にミスリードされているだけ、あみ子はもっと力強いのかもしれない。（少なくともそうであってほしい）
