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ムーンライト・シャドウのRENのレビュー・感想・評価

ムーンライト・シャドウ(2021年製作の映画)
3.7
恋人を亡くした人々。その喪失感は、まるで軽く叩いたら簡単に壊れてしまうような、そんな不安定で儚い心情を表している。
この作品のポイントは食事にあると思う。誰かと食事を摂ることでその人の人となりが分かると言った柊。実際この映画の登場人物は、食事もしくは食欲が精神面の変遷に直結していると取れる。食事という行為は「生活」であり「生」である。生命力が心と食事に結びつく時、ストーリーが動いていくのだ。
穏やかさを帯びた絶望から少しずつ悲しみを精算していく過程は淡く美しかった。
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