オーシャン小林

ムーンライト・シャドウのオーシャン小林のレビュー・感想・評価

ムーンライト・シャドウ(2021年製作の映画)
3.8
東京国際映画祭にて
世界観も登場人物も独特なので、なんだこれと思ってしまったら多分そのまま乗り切れないんだろうなとは思ったけど
個人的には概念的な話だったりあやふやな世界観は好きだったりするので、そのユニークな人物達から語られる面白い言葉に耳を傾けながら、今生きている日常を大切にしていこう、なんて考えることが出来る作品で良かった。
雰囲気映画っぽい空気感は出てるけど、これはどちらかというと中身が大事な映画であってギリそうではないと思う。
「日常は無数の偶然が重なって成り立っている、だから少しバランスが崩れただけで簡単に今まで見ていた日常は変わってしまう」
Q&Aで小松菜奈さんが「現実は綺麗な事だけではない。苦しみや葛藤も含めてイメージして人物像を構成していた。」と言っていたように
ただ平凡な日常を過ごしているように感じていても、よく考えてみればそれは嬉しいことや苦しいことが絶妙なバランスを取って成り立っているのであって
そうした世界のバランスの波を感じながら自分でその波の乗り方を調整して生きていくことが自らを生きやすくしていくのかなと思った。