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スティルウォーターのJIZEのレビュー・感想・評価

スティルウォーター(2021年製作の映画)
3.5
米国オクラホマ州の"スティルウォーター"を舞台に異国で殺人罪に問われたむすめの無実を証明するため父親が単身で現地へわたり犯人探しへ奮闘する。紛れもないサスペンス映画だが、全編はかなり淡々と進行していき、なだらかなロードムービーをみてるような事件の導線をたどる滑らかさがある。また主演のマット・デイモン扮する父親の真摯で無骨なさまが象徴的で、異国の地で右も左も分からない状態から、おのれの正義とは?を問答無用に投げ掛けられる。普段のコミュニティ内では当然の意識だと思っていた事柄が、異国の地では通用しなかったとき、さて人はどう行動に起こすか。。むすめの殺人容疑で収監されという設定軸も、最大限にあとあと機能していた。個人的には『ジェイソン・ボーン(2016年)』シリーズに匹敵するほどの静観なハラハラ度がある。主演のデイモンの感情を排したような芝居や寡黙のなかで一筋の光を望み前進しつづけるような芝居は胸を打つものがある。
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