アメリカ至上主義、アメリカファースト(アメリカしか知らない)の白人の男の解体の物語。
スリラーとして語られる部分は実はそんなに重要じゃなくて、主人公ビルという要するにゴリゴリ保守的白人男性の変化を描いた作品である。
世界はアメリカでできている、どこに行ってもアメリカ(白人)が第一の存在であるという妄信が壊れていく様を描く。
それをマット・デイモンが演じるという説得力はある。
やはりラストのセリフに全てが込められているのであろう。
哀しいかな日本も同じ(なんならもっとひどい)ので今作に対し遠い国の他人事ではすまされないのが現実。
なんだけど......言葉で多くは語ろうとしていないから、良い悪いは別として、保守的な人たちが見て俺たちのことだと気付けるのかどうかは怪しい。
また、スリラー部分はそんなに重要じゃないとあって、140分は時間相応に長い。