あまんだ

スティルウォーターのあまんだのレビュー・感想・評価

スティルウォーター(2021年製作の映画)
4.5
留学中、殺人容疑で逮捕され、5年もの間勾留されている娘に会いに、一人のアメリカ人男性がフランスに降り立つ。
娘はずっと無実を訴えており、それを裏付ける手ががりをこの度得たという。
しかし、娘の弁護士に訴えても、取り合ってはもらえず、言葉も話せない中、男性は自力で真犯人を探そうとする。
犯人探しのミステリーが、一応あらすじの主軸ではあるが、これ、見所は、拗れにこじれた、父と娘の話。父は無論、娘の無実を信じ、娘を愛しているので、時に無謀とも言える行動を取るのだが、娘は、とあることから、父を、もう見限っているに近いので、辛辣に冷ややかに父を見ている。
ジェイソン・ボーンが代表作のマット・デイモン故、ギャングっぽい若者相手に立ち向かっていった時は、一瞬で伸すのかしら?と、思いきや、普通にシバかれてるし、ほんと、極々普通の中年男性の奮闘と葛藤。
娘が途中で父の協力者たる女性に、言ったように、信じないほうがいい、あの人は失敗ばっかりしているのよ。と言うくらい、娘のために、無謀で危険な事もしでかすくらいの不器用なおっちゃんやけど、私はその、普通のお父さん感に何回もぐっと来た。しかし、そんな普通の人でも、仰天するような出来事が起こるのが人生。
ラストのマット・デイモンのセリフは重いなあ。幾つになっても、気持ちが揺さぶられる事が起こるんやなあ…。揺るぎない自分なんて、夢やなあ…、と、思った次第です。
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