しろみさかな

スティルウォーターのしろみさかなのネタバレレビュー・内容・結末

スティルウォーター(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

静かに壊れていく感じ。建物の爆破シーン見ている時にスローモーションに見えるような、そんな感覚の映画でした。親子のサスペンスで思い出すのが、ヒュー・ジャックマンのプリズナーズなんですけど、プリズナーズが豚骨家系ラーメンだとしたら、こっちは柚香る塩ラーメンって感じでした。ちゃんとダシ取ってて味に深みがあるんだけど、さっぱりしているというか。そんな感じでした。
親も親だけど、子も子だなぁ…って思いました。蛙の子は蛙なんだなぁと。親だから娘の無実を信じてあげたい気持ちもわかるし、真実を知っていても娘を守るのは、共犯。そして親も罪を犯してしまう。ラストシーンで二人が並んで椅子に座って前を見つめるシーンは、なんだか悲しかったです。壊しても尚生きねばならんのが、たびたびセリフでも出てくる【人生は残酷だ】ということなのかもしれません。
フランスでのマヤ達ファミリーとの暮らしが唯一この映画の救いでした。きっと彼が今までできなかった家族ごっこがようやく出来て、尚自分の娘への贖罪だったのだろうなぁ…というひと時でした。苦しい。幸せそうなのに、なんだか見ていると涙が出そうになりました。サッカー場でのシーンは、もう見るのをやめようかなと思うくらい、先に進むのが怖い、と思うくらいそれまでが良いシーンだったので、見てて苦しかったです。
サスペンス好きな方、是非。家族についても考えられるし、文化の違いや価値観や生活観の違い、いろいろ思うところがある作品です!マット・デイモン激渋で味出しまくってましたのでマット・デイモンファンの方も是非!
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