こうはならんやろ、というのが所感。
それはもちろん勝手にパージを継続する輩続出、の部分だ。暴徒の行動原理にリアリティがない。
初期の頃はシンプルで良かったと感じさせる。
以下ネタバレ抵触します。
このストーリーをやりたいならBLMと白人と移民の泥沼の殺し合いがヒートアップして終了の合図が鳴っても憎しみ合い、殺し合いが止まらなくなり全米が暴徒化してしまった…とすべきだが本作の場合ノリノリのパージャーが大量出現したようにしか見えないし、さすがに行動に無理を感じる。集団催眠とかの方がまだ説得力ある。
あと面白殺人鬼が少ない。殺人鬼のバリエーションにこそ制作者は労を捧げるべきだ。
典型的な南部白人とメキシコ移民が協力し合う展開は悪くないと思うけど（ガレージには南軍の旗があればよかったのに）それならバディものとして調理してほしかった。
自警団出身のスーパー嫁が良いキャラだけど、本作の場合その存在がいらぬノイズになってしまっている。
メキシコが荒んでいる要素を思わせるキャラだが、本作はそのメキシコに人道を求めて逃げ込むのだから。
あれもこれもとテーマの手を広げ過ぎて題材がもつ謎の爽快感という長所が失われていると感じた。
