【キレイで神秘的な沼はあるよ】

長野県にあんな沼を有する村があるっていう設定は、フィクションだとしても、長野の人は嫌だよね。

あの沼は、何のメタファーなのだろうか。

やっぱり、人を好きになって他に目が向けられなくなることなのだろうか。

だとしたら、沼はもっとキレイで神秘的な所を選んだ方が良いと思う。

それこそ長野にも、そんな沼があるのを僕は知っている。

あの沼は、人を飲み込むにしても、神秘性や謎を孕む様は不足しているように思う。

怖い場面はないけど、あのPCに詩を打ち込んでる和服の女性なんかを思い返すと、ある意味、この作品はホラーだ。

つぎに何が起きるのか気にしながら観てたら、時間は過ぎたけど、それほど面白くはなかった。

努力賞かな。

変なレビューになってしまった。

何でも取り込んじゃう沼がある村の映画。長文です。
ちょっと知り合いが多数関わっているので、これでも点数甘々なのですが、まず脚本がダメダメです。何がダメっていろんなダメなところがあるのですが、最も疑問だったのが年号を明示することでこの世界に現実味が帯びることです。内容は寓話的で、登場人物たちも喋り方や動作含めて非常に非現実的な世界観なのに、急に令和と途中で明示されるので、これ令和の話なの？　と一気に醒めてしまいました。年号は割と象徴的に明示されるので何らかの意図があるとは思うのですが、その意図は自分にはさっぱりわかりませんでした。
あと沼と梟の対比がいまいちよくわからないとか、梟売りが売ってる梟がただの木みたいでまったく梟に見えないとか解釈を観客に委ねすぎてて何が言いたいのかわからないとか、低予算で自主映画だからとはまた別の問題はところどころに感じました。
ただ一方で監督の大木さんの意図は割としっかり表せていたんじゃないかと思います。小津映画や市川崑作品など、日本映画の文脈を感じられる作品で、射程距離が長いと言うか、身近には置いてないなと思いました。この射程距離って自分はあまり自主映画で感じたことはなくて、どうしたって海外の映画からの影響を感じることの多い自主映画の中で、割と特異な作品になってたんじゃないかと思います。単純に自分が自主映画をあまり観れていないからなのかとも思いますが。
それに対して脚本もなのですが役者陣はいまいち答えられてなかったように思います。
この作品の感想を聞くと大体がこう答えます。「頑張っていた」。役者本人たちもこの作品では頑張ったと口々に言います。しかし「頑張った」という評価は役者にとってポジティブな評価には自分は思えません。むしろ頑張ってたねと言われたら悲しい気持ちになると思います。
頑張りを評価するかどうかは意見の分かれるところと思いますが、少なくとも世の中の流れ的には評価軸は別のところに移っていると感じています。
この作品は監督の映画に臨む姿勢、ベクトルの定まらない脚本、とにかく頑張る役者陣と、割とバラバラになっているような感じがしました。その中において、中島くんと清水さんの二人は本物っぽいというか、本当に居そうな気がして良かったです。

狩野美彩子さん主演映画。体を張ったお芝居もそうなんだけど、彼女の魅力がたくさん詰まった映画。横顔がすごくキレイ。刺激をたくさんもらいました！