有村架純と森田剛がとても良かった。そして脇を固める磯村勇斗、リリー・フランキー、木村多江らも実に良い。
ただ役者たちが素晴らしかった反面、現実とはかけ離れたストーリーと過剰な演出がどうしても気になってしまった。
罪を犯した前科者の更生、社会復帰を目指す保護司という職業はとても興味深く引き込まれる。ただ保護司が有村架純であるが故のリアリティとの乖離。28歳でコンビニ勤めの独身かつ美人保護司が自宅に元殺人犯を呼んで二人きりになる、他の前科者と酒を飲む、冒頭ではガラスを割る。
もちろん有村架純は熱演である。ただあまりにもこのキャラ設定に疑問も多く、加えて保護司の目線で話が進んでいかず、元受刑者の話があまりにも多すぎる。
劇中の連続殺人事件も、それを追う警察に関してもあまりに現実とかけ離れた見せ方が続き、見ている方が辛くなっていく。
ただ役者陣はこのリアリティの無い脚本に対しても真摯に向き合っており素晴らしい結果を残している。森田剛も本当に素晴らしい。ただこのモヤモヤする感じが、なんとも言えずにもどかかった。