岩嵜修平

ディア・エヴァン・ハンセンの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

3.3
ミュージカル映画の2021年ベストが #TickTickBoomMovie ならワーストはこれ。そもそもミュージカルにする意味を感じなかった(序盤は言葉として外に出せないことを歌ってたけど後半は?)し、楽曲も近いテイストばかり&歌上手いでしょ的な歌い方ばかりでしんどかった。

結構、啜り泣きの声が聴こえたけど、アレで泣ける人、生活の中で孤独の実感が無いのでは。登場人物の誰にも共感できない。強いて言えばコナーだけ。でも、本作においてコナーの気持ちは、ほとんど描かれないから、泣くのは、本作の一部登場人物と同じように感動コンテンツを欲してる人だけじゃないか。

前からチョボスキー苦手だなと思ってたけど、毎回、イケてない側を主役にしたがるのに、実感が伴ってないんだよな。あくまで可哀想な存在として感動の材料にしてる感じ。本作では、そこをフックにつつ、自ら問いかけてる姿勢は見えるけど、それなら、途中のコナー置いといてハッピー描写は無いのでは。

ベン・プラットが歌上手いのは、『ピッチ・パーフェクト』で、みんな知ってるじゃん。しかも、彼は既にイケでない側の人じゃないことも分かってるのにキャスティングするのも、今時のアメリカの映画として、どうなんだ。もっと知られてない新人にした方が。ジュリアンムーアとエイミーアダムスは流石。
岩嵜修平

岩嵜修平