すぺさん

ディア・エヴァン・ハンセンのすぺさんのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

どの映画も登場人物に感情移入してしまいがちなので、この映画はかなりしんどかったです…
嘘であると打ち明けるタイミングは何度もあったはずですが、初めはコナーを亡くした家族の様子に居た堪れなくなった「優しさ」から、そのうち自分が今まで手に入れることのできなかった理想を手に入れるために嘘に嘘を重ねていくエヴァンにどんどんと胸を締め付けられてしまいました。
 
また孤立し荒れていた息子のコナーも、実は1人ではなかったと信じて疑わない母、そして一見学校の中心にいる明るく聡明な女性に見えてエヴァンと同じく抗うつ剤を服用し、自分と同じように孤独感に苛まれる人々に手を差し伸べたいと奔走するアラナなど、残酷なほどに等身大な彼ら彼女らの姿に目を背けたくなる瞬間が何度もありました。
 
 少し思うことがあるとすれば、結末がなんだかあまりにも優しい世界すぎたということ……。この結末に救われる人も多くいるとは思います。嘘がバレた瞬間エヴァンがどうなってしまうのか、余計孤立するんじゃないかとハラハラしていた私は少しホッとすると共にどこか拍子抜けしてしまいました。懺悔したら赦されるみたいな価値観があるのかな…キリスト教に明るくないので下手なことは言えないですが。

私自身がミュージカル好きで作品賞を受賞した際もかなり話題になっていたのでずっと観たいと思っていた作品でしたが、さすがブロードウェイ作品だけあって楽曲は素晴らしかったですね!!!
楽曲のフレーズが時折エヴァンの心情とリンクして何度も登場したり、曲はポップスというかかなり現代的でしたがミュージカルらしい楽曲でした!!
サブスクでアルバムを聴き直そうと思います!
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