ミュージカルなので歌は素敵なんだけど、主人公がどんどん嘘を重ねていく過程が、あまり共感できずにいた。
でも嘘を重ねる度に、孤独な自分が、誰にも見向きされなかった自分が救われていく。「ひとりじゃないんだ」と唱える姿はなんとも複雑な気持ちだった。
「それって亡くなった人を通して、自分のエゴを満たしているだけじゃないのか。」と。
でも今の時代の孤独が生まれてしまう構造やそこから脱する方法の無さによって生まれてしまうものなんだと思う。
こんなにも人と繋がる手段は増えたのに、以前よりも孤独さを感じる瞬間が増えるのはどうしてなんだろうとずっとぐるぐる考えてしまいました。
本当の自分の声が届いた瞬間、特に母親との歌の掛け合いには大泣きしてしまった。
作品としては、現代の若者たちの悩みや葛藤をミュージカルと掛け合わせてるのが新鮮だった。歌を通してだとなんとなく受け取りやすいから、SOSを出せない若者たちに"伝える"ことをし続けるって大切だなと思うし、ありがたいことだなと。
もやもやする部分もありますが、それがリアルだし、なんせ曲や歌声はめちゃくちゃにいいので観てよかったなと思います。