感動系のヒューマンミュージカル映画。気弱な主人公の成長物語。本作品のミソは、気弱さがよくある程度の弱さではないということ。弱さがもたらす嘘がきちんと世に現れ、見ていられない程痛々しい実害を被る。しかし、目を背けず現実を受け入れ、誠実な対応をとる主人公の姿勢は格好良かった。孤独をテーマにした作品で、「みんな君と一緒だよ、君だけじゃないよ。」というメッセージを含んでいる。丁寧に時間をかけて描写しているので、安っぽさは一切感じない。また、登場人物の語りを歌にすることで、テンポを落とすことなく描写できている点も高級感が出る理由の一つだと思う。満たされない気持ちになったとき、本作を見返したい。今側にいてくれる人を大事にしようと思える作品。
