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場所はいつも旅先だったのkapapamyのレビュー・感想・評価

場所はいつも旅先だった(2021年製作の映画)
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これは、ドキュメンタリーではないね!
ドキュメンタリーだと思って観始めたら冒頭から正体が全くわからない「僕」のナレーション一人語りが始まって、映像の中で起こっていることとコメントで言われている事実が全く違っていて大混乱だった。
「生理的に無理かも!」と思ったが、10分くらい経ってイメージ映像つきのエッセイ朗読だと気づいてからはきれいな画をぼんやり眺める鑑賞スタイルにシフトできた。

これはたぶん、おおむねエッセイというかコメント先行で、あとから映像を撮りに行っているのかなという気がしたが、それにしてもコメントに画がついてきていないことが多すぎるなと思った。サーファーの満足げな顔の話をしているのに画にサーファーが一人も映っていなかったりとか、台湾の深夜にごったがえす屋台通りの話をしているのに人が若干まばらだったりとか……。もうすこし撮影がんばれるだろ!とは思った。
「ドキュメンタリーは嘘をつく」(森達也)流派だが、それにしたってこれは嘘をつきすぎというか、さすがに映像の中に存在しない話者の発言をコメントで語るのはあまりにも映像がただのイメージすぎる。かなり斬新な映像作品だった。
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