【フルチ版『シャイニング』】
いわく付き物件に住み始めた一家、田舎で仕事に没頭したい父親、どう見てもシャイニングを持ってる息子など、もうそれ『シャイニング』じゃん!と突っ込みたくなるくらい確信犯的に潔く『シャイニング』から設定を拝借したフルチは、しかしキューブリックとは全く異なる地平を見ているようだ。それは冒頭の異次元の死に様(つむじのあたりへ垂直に振り下ろしたツルハシが頭蓋骨を貫通し、なぜか口から飛び出している!)からも明らかである。
確かに本作には『シャイニング』同様、斧で扉を叩き壊す父親が登場する。しかしそれは『シャイニング』における父親ジャックのように息子を殺すためではなく、地下室に閉じ込められた息子を救うためである。なぜなら、地下室にヤベえ怪物が潜んでいるからである。。。
個人的なハイライトは、母親が階段で捕まって引き摺り下ろされるシーン。段差でいちいちカクンカクンとリズミカルに頭をぶつけるところは笑ってしまった。そこが面白いから次のカットでは母親はもう息絶えている。