持て余す

聖地Xの持て余すのネタバレレビュー・内容・結末

聖地X(2021年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

どうして韓国を舞台にしたのかさっぱり解らない。バブル期には偉い人の旅行のついでみたいな映画もあったけど、いまのご時世でそういうことあるんだろうか。それぐらいに韓国を舞台にする理由がない。

予告編を見たくらいで、事前情報はほぼ0の状態で見たのですが、序盤から色々とひっかかりを覚えます。登場人物の不自然な行動、ミスマッチに思える“舞台ノリ”の演出。予告編では端正なホラーの雰囲気があったのに、実際には小劇場の楽しくわちゃわちゃやってるアレでした。

評判の良かった舞台演劇が映画化されると、そうした“舞台ノリ”が残っていることがあるけれど、コメディ寄りの一部作品を除けばあまり歓迎できない。あれは舞台上でやるから楽しいものなのだし、あの雰囲気を映画で出したいのならもう少し練って欲しい。

それから、ホラー要素についても少し安直な感じがします。結局のところ、あの現象がなんなのかがふわっとしたままで説明もしないから、あの過激な方法で解決するという保証がない。そうすると、見てる側はモヤモヤしたままになる。超自然的な力にしろ、SF的な解釈にしろ、これという形で説明しなければ落としどころが見えなくなってしまう。

物語の骨子はとてもユニークで、少しずつ違う同一人物というとてもハッタリの効いた要素はとても素敵だ。元の舞台はとても面白かったのだろうなあというのは伝わってくるのだけど、映画としては全体に少し舐めてる感じがしてしまう。残念。
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