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東京クルドのparaのレビュー・感想・評価

東京クルド(2021年製作の映画)
3.8
今国会で入管法改定案は取り下げられ、保護に関する法律案が議員立法として提出された。
スリランカ人女性が入管収容中に亡くなられた。
などのニュースを見聞きする中、ホットな題材。

トルコから生命の危険を感じて、欧州を希望しながらも日本に逃れてきたクルド人。
その中の2人の若者を追ったドキュメンタリー映画。

小学生の頃から日本で育っても難民申請は通らず、就労ビザもおりず。またいつ収監されるかわからない中、定期的に仮放免許可証をもらうために入管に通う。
5年にわたる映画撮影当時として、クルド人で難民申請が通った者が皆無であることも語られ、将来に希望を見出すことは難しい。

短編は既に世に出ていて、この長編は完成したての緊急公開。

日本人に難民問題が馴染みがないのは、建前上は国連の難民条約に批准し難民を受け入れることにはなっているが、法律およびその解釈が非常に排他的で、送還ありきの形のため。
映画の中でもそれを表すやりとりが登場する。
「他の国へ行ってよ」

公開初日、日向監督舞台挨拶付き。

彼らの現在の話を聴くことが出来て良かったこと、
トルコにおけるクルド人、ISと戦っているクルド人についても不知であったため有意義な時間であった。
映画が公開されることは彼らにとって身の危険を孕む行為でもあるのだが、その辺の話も聴けて良かった。

映画鑑賞中に1番感じたことは、監督も述べられていたのですが、
日本の本当にボトムの部分、所謂3Kと呼ばれる仕事を担い、国を支えているのは、彼らなんだという事実。

映画では触れられていなかったけれど、、
トルコとは友好関係にあるから、トルコ国籍クルド人の難民認定は日本国としては出来ないだろうなあ…ということ。。。

恥ずかしいことに何もアクションを起こしてしていないのだが、難民支援協会のメルマガは読んでいて、、、
それでも全く知らない世界だった。
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