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ONODA 一万夜を越えてのpongo007のレビュー・感想・評価

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)
1.0
 酷い出来の映画。まず、意味のないシーンが多すぎで、全体が長すぎて疲れます。キャストはほぼ全員日本人なのですが、日本語が変でした。これ、日本語のできるフランス人がつくった台詞が多いためですね。とにかく日本語が不自然かつ不鮮明。あとフランス映画っぽい心象風景の描写みたいのが、うざくて長い。

 なぜ、日本人スタッフでつくらなかったのかが意味不明ですね。フランス、ベルギーとかの共同制作ではなく、せめて、日比合作くらいでつくれば、こんな意味不明な映画にはならなかったと思います。

 小野田さんのジャングル生活の過酷さが全く伝わってきません。2時間半の映画で、一体なにをしてるんだ、とイライラしました。また、小野田さんとフィリピン人との戦闘から和解、交流があったはずなのですが、まったく描かれていない。フィリピンが舞台の映画で、フィリピン人がほぼ登場しないのが、まるで意味が分かりませんでした。

 とにかく、フランス映画にありがちな、もったいぶった雰囲気。ここまで芸術的に小野田さんの心象風景を描いたんだみたいな、おフランス様が描くと、こういう芸術性の高い映画になるんだよ、みたいのが。ものすごく鼻につきましたね。

 で、トータルで言うと、小野田さんのフィリピンでの生活がまったく分からない、小野田さんがフィリピンで何をしたのか、加害者なのか被害者なのかまったく分からない、フィリピンが舞台なのに、フィリピン人が登場しない、アメリカ人も登場しない、戦闘シーンは皆無、ひたすら不自然な日本語と、さして重要でもない無駄に長い心象風景みたいな描写が続く。出てくる小道具の時代考証がめちゃくちゃ、そして、悪魔的に長い。

 この長さで、このすかすかの内容はもはや犯罪。この映画のスタッフを全員ひっくくって、刑務所にぶち込みたいくらいの、近年まれに見る、酷い映画でした。いい加減にしろ馬鹿野郎!
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