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ONODA 一万夜を越えてのojiのレビュー・感想・評価

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)
3.9
アルチュール・アラリ、『落下の解剖学』で記憶に新しい彼は、監督作品として、30年ものの忠誠を誓い続けた兵隊を描いた

『辰巳』を見る前にと、小野田役を演じた遠藤雄弥を確認。随分と過酷な撮影に及んでいたようだ。松浦さんとのやりとりや、隊長として兵を率いて鼓舞し続ける、若く勇敢な兵を演じていた。だからこそ、必然的に津田寛治さんの芝居は、もう何年目なのかという駐在歴を一瞬で見せてくれる
松浦さんとのカトウシンスケさんのやりとりは本作に、緊張感と笑いを与える。愛おしい組み合わせだった。井之脇海のげっそり具合もなかなかよい

終盤に希望のように現れる仲野太賀
酒を飲みながら吐露するシーンは名シーンにしたい。虫を払い落としてる

戦争は終わったのか、先に銃を向けたのはどちらか、世の中の動向がわからず、フィリピンで、ひたすら身を守ることしかできない
何のためにこんなことしてるのか、死んで何に貢献できたというのか
かつて日本でも描かれた劇的な戦闘シーンを描かない戦争映画に似た印象
ひたすら、戦争に翻弄された日本人の心情の動きを描き続ける
マンネリにならないように描き続けるのは大変だ
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