小野田寛郎
戦後もフィリピンのルヴァンク島で、戦争状態を30年、
特殊訓練を受けていたのが、
仇となって、
投降も自決もせず、
仲間が倒れても、
ただひたすら、日本兵としてジャングルで生きる。
優秀過ぎたことからこそ、
自分のやって来たことが、
無駄と思いたくない心が、
痛い程わかる。
戦時中の人は相手を殺すけど、
戦争が終わってると知ってるから、余計に息苦しい。
仲間を次々失っても、自分の使命に疑問も持たないことが、
教育の恐ろしいところだ。
上司は部下に、師匠は弟子に、
親は子に、言葉の呪縛を与えないことを望む。
受けた側は一生苦しむ。戦時中は政府の言葉が全て呪縛だろう。
結局、小野田さんは、上長が呪縛を解くまでジャングルで戦場を生きる。