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梅切らぬバカのkurageのレビュー・感想・評価

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)
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優しい眼差しの映画。
占い師の珠子さんと自閉症の息子、ちゅうさんの山田親子の日常の風景を切り取った秀作。
物語のしまいかたが穏やかで、とても好み。本当にそこに存在しているかのような山田親子と隣人、里村一家の生活はそのまま続いていくのだ。
トークショー付きの回に行ったのだけど、加賀さんや塚地さん、そして監督の飾り気のない言葉がじんわりと心に沁みた。
「ちゅうさんみたいな人に会ったら、声をかけなくてもいいから微笑んであげてください」と言われた加賀さんが本当に珠子さんみたいだった。

観客には山田親子のような家族や車椅子の人などもきていて、終始、温かいムードが会場を包む。会場から出たら、また次の回を待つ人たちがいた。当初3館のみの公開予定のはずが現在70館以上で公開しているそう。
小さな映画で、色々と持ち寄った手弁当的なものづくりであったのではないかと想像する。人の心を動かすものがこの映画にはある。
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