カネコ

ノイズのカネコのレビュー・感想・評価

ノイズ(2022年製作の映画)
3.3
前から観たかったやつがU-NEXTに来たので🎥

過疎化が進む孤島・猪狩島。島で育った圭太が育てる黒イチジクが話題となり島興しに盛り上がっている。
そんな時、少女暴行の罪で出所したばかりの男が島にやって来る。
圭太の娘・絵理奈に近づく男を追い出そうとした圭太。誤って男を殺してしまう。
男の死体を巡って島の人々の思惑が交錯する。


まず絵理奈ちゃんが無事で良かった。
男が来る前と後でスカートからパンツに服装が変わってるのは気になったけど何もなかったと思いたい。
マジであんな奴の為に全て台無しになるのは酷すぎる。
しかし性犯罪者の不穏な雰囲気がリアルだった。

たった一つの過ちを隠す事に決めた真一郎と圭太と純。3人の気持ちは島を守る事。
今作は遠景からの画が多い。まるでどこにいても島から見張られているようなそんな気持ちになる。
圭太が栽培する黒イチジクも猪狩島そのものを表しているようだった。
外側はつるんとしているけど中を割るとグロテスク。

“さあ、島を乱すノイズを排除しましょう”

言葉通りにそれぞれのノイズが浮かび上がってくる。
圭太のノイズは加奈の島から出たいという気持ち。
作中で何度か繰り返される絵理奈の絵日記は絵理奈と加奈が圭太と過ごしたかった夏休みの一日を表しているんだと思った。
ひまわりは大きな花を咲かせるけどイチジクは無花果と書くように花の咲かない木。
お父さんは花の咲かない木に夢中。
島には無いだろう遊園地。加奈は行った事が無いか、もしくは唯一の父と遊びに行った思い出だった。
加奈の最後の絵は意図的に画面に映らない。そこには圭太は描かれていないか純が描かれているのかも。
島に生かされていると言っていた圭太。
島の事より少しでも家族に目を向けていたら。
そしてもう一つのノイズは純の加奈を思う気持ちと純の圭太に対する嫉妬心。
純は親友であるけどずっと圭太を羨んでいた。それに気づかない振りをしていたから足元を掬われてしまった。

純のノイズは圭太の存在。子供の頃から島の希望で憧れの加奈と結婚した圭太。純は圭太への嫉妬心をずっと募らせていて起こった事を利用して乗っ取った。純の部屋の加奈の写真はちょっとベタ過ぎな演出。
ラストの銃で純が撃っていたものは圭太がいなくなったのに自分のものにならない加奈を狙っているという暗喩かと。
そしてそれは外れてもう1発はもしかしたら自分自身に向けられたのかもしれない。

真一郎のノイズ。島が好きで島を守るために警察官になった真一郎。正義感と島を守りたい思いに苛まれてそのノイズを消す選択が悲しい。瘡蓋になる事にこだわり過ぎた。その瘡蓋を剥がそうとしていたのが刑事畠山の手についた血だった。このシーンももちろんリアルに血がついているのでは無くて暗喩だと思われる。

今作は暗喩・回想シーンがシームレスに繋がっててその演出が上手くいっているとは言えず分かりづらくさせていると思った。

真一郎の墓参りの時の刑事の言葉も気になって。
ちょっと知り過ぎてる気がする。
町民は圭太の話はしてたけど純についてどう思っていたのかが無いから聞き込みで過去の話とか加奈との事とか聞けたのか?
大分嫌われてたみたいだけど。
令状無しに勝手に捜査して鍵壊したりしてたし刑事が胸糞だった。

町長はこのハゲーのパワハラ議員が元ネタかな。なんて人だったかな?

町長と老人が争うシーンははコントみたいで面白かった。死体が増えたねー

藤原竜也はまんま藤原竜也の演技。外れ無いね。
松山ケンイチのじっとりした目つきが良かった。
黒木華は声が可愛い。
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