raga

ガンパウダー・ミルクシェイクのragaのレビュー・感想・評価

2.0
ナヴォット・パプシャド監督が構築する世界は独自ルールが支配する。その掟を守るもの、破ってしまうもの、その境界線や動機に際して主人公たちに苦悩が見えず “出たとこ勝負” で乗り切ろうとする浅薄な言動は、こちらに説得する気概が見えない。いわばナルシシズムに終始している。どこかで見たような既視感増し増しの人物設定や都合の良いように物事が進行する構成は、緊迫感も薄れ肝心のテーマはなんだっけというお粗末な結末になる。そう、彼女たちの自由って思い込みでしかない。これまで提示されたルールは容易く崩壊する顛末だったのに、彼女たちは全て忘れ去ったのか、ご機嫌で安住の地を求める心情にこちらは不審を抱く。面白み要素のトンチも前半の麻酔打たれた腕を振り回すアクションのみで明らかにネタが乏しい。ミシェル・ヨー姐さんの活躍もイマイチ。うーむ、アクション映画好きは、この仕上がりに苦言を呈する。
raga

raga