パスト ライブス／再会のragaのレビュー・感想・評価

人は容易く決断できない、するのが怖い。他者に決断してほしくなる。受け身になってしまう心の弱さ、狡さ、そこにドラマがある。クライマックスのウーバーを待つ2分間、運命の決断を互いに欲するノラとヘソンの所作に胸が締めつけられる。どっちに転んでもいい、その合図さえあれば身をまかせたい、でもその一歩が踏み出せない。その恐れの積み重ねが人生なのだ、決してカッコ悪くない、むしろ清々しい。そこに共感する。巧い脚本と演技、至福の時間を見事に描いている。