GijoeGo

クレイヴン・ザ・ハンターのGijoeGoのレビュー・感想・評価

クレイヴン・ザ・ハンター(2024年製作の映画)
3.7
ソニー・スパイダー・ユニバース通称SSUの最終作とも言われた可哀想な作品。
どんなものかと鑑賞。
劇場には行けず配信が始まった頃はレンタルだけで1900円もしたのでしばらく放置。
ようやく2100円になり購入。

かなり再撮影したとかでテコ入れしたにも関わらず漂うB級感。元々スパイダーマンの人気にあやかったスピンオフなので本家越えはおろかMCUの単独作品より弱い内容。野生感溢れるキャラクターはブラックパンサー味があるが似て非なるモノ。
アーロン・テイラー・ジョンソンのカッコ良さでなんとか持たせた感じがするもストーリーがフワフワしていてキャラクターの魅力に迫れてないのが残念。

母親が自殺したのに葬式はおろか遺体も見れず狩りに連れて行かれる兄弟。

弟を見捨てて旅立った割に毎年弟の誕生日には現れて父親と3人でパーティー。

一家秘伝の回復薬を見ず知らずの少年に通りがかりに助ける少女。なんなら自ら通りがかる謎行動。
その秘薬と伝説のライオンの血が一滴合わさったらスーパーパワーを手に入れたとかかなりファンタジー設定。
第一幕の少年期が30分くらいあり彼等に感情移入した頃に現在に引き戻される。

肝心のアクションは刑務所や森の中、敵アジトに大都会と色々あって立体的ではあるものの脅威的な視力くらいしか新鮮味が無かったかも。予告であった残虐シーンは有るものの作品のトーンに清潔感がありワイルドさは薄味。

ライノの妙な存在感やフォーリナーというヴィランや越えるべき父親やブラザーコンプレックスともいえる兄弟愛や謎の弁護士カプリソと一癖も二癖もあるキャラがいるのに充分に活かされないのが勿体無い。

モービウスやマダムウェブのような残念感がこの作品にも漂う。それでも過去作同様、良いところが散見されるので嫌いになれない作品。
ラストに弟の驚きのカミングアウトでクレイヴンも観客も呆気にとられた。
さすがにポスクレもミドルクレジットもない寂しい終幕だった。
GijoeGo

GijoeGo