IMW2021パート1その④
なんか男ですいません。
「女神たちよ」とこの映画の2本連続のプログラムを組んだIMWさんエグいですw
インドにおける結婚という名の牢獄。
映画を観てる間は圧倒されて気付かなかったけど、これワンシチュエーション映画ですね。
格式高く、信仰の篤い家に嫁いだ主人公。
台所を中心とした家事全般を延々と見せられるだけなのに、真綿で首を締められるような感覚に陥る。
序盤の飯テロから段々と料理がグロテスクに見えてくる演出も上手い。
そこに蔓延るのは、嫁は主婦という名の奴隷という感覚。
もちろん彼らにとってそんな意識は無くとも、現代の感覚からするとそうとしか思えない。
野郎どももそうだけど、それが伝統、それが当たり前ということを押し付けてくる女性達も。
一昔前の日本でもそういう風潮はあったし、韓国では未だにそういう風潮が強いという。
日本で家父長制が廃れてきたのに、韓国やインドで未だに根強いのは、やはりそこに宗教が絡んできているから。
IMWさんのトリヴィアによると、2~3年前に実際にあった「シャバリマラ寺院への女性参拝問題」もテーマに含まれていて、劇中でもニュースとして流れてくる。
これは初潮~閉経するまでの女性が寺に入ることを禁止するもので、女性法曹関係者が違憲だと訴え、最高裁判所で認められたもの。
この映画でも生理中の女性は「穢れ」として扱われ、物にも人にも触れてはいけないという「嘘でしょ?!」というしきたりが出てくる。
そんなに伝統とかいうなら、牛糞食べるのも従いやがれ!
そんな状況に疑問を感じ始めた主人公の決断とは。
ホラーでもサスペンスでも無いのに、こんなにハラハラさせられるのも凄い。
これまたインド映画の底力を感じさせられる問題作にして、多くの人が観るべき作品。
そういえば言われるまで気付かなかったけど、夫役は「ジャパンロボット」でおじいちゃん役をやってた人なんですね。
これまた凄い。