あさ

グレート・インディアン・キッチンのあさのレビュー・感想・評価

4.3
滑り込みでなんとか見れた。諦めなくて良かった。決闘裁判以来の「すげえもん見た」映画。予告とポスターとタイトルと、色々重いものを想像していたので覚悟が必要だな〜と腰上がらなかったのだけれど、「ラストがあるから、ただの重い映画と捉えられない」って声を聞きまして、ネットは偉大。

中指を立てざるを得ない場面もそりゃ多かったけれども、兎に角この映画が生まれたことがすごいのや。間違いなくこんな家に嫁いだら2日持たないんだけど、ヨシッあわなかった、転職!っていうテンションでは生きられない社会なのが辛い。ヤバい。限界は訪れるけれども。パッドマンで描かれていた生理を穢れとして扱う旧式の考え方は、本当に所によってはまだ存在するのかと思うと恐ろしい。

ていうか、歯ブラシレベルではないけどうちの実家も男性が座り散らかしてご飯先に食べ始めて、当たり前のように片付けも女性陣だ。未だに90近いお婆ちゃんに何でも取ってこさせお茶入れさせる親に何度小言言ってぶつかったかわからん。小さい頃からお手伝いしなさいって、永遠にこたつに座ってるジジイたちに言われるのマジでおかしかった。それ私のいとこ(男)には言わないじゃん…と言い出したらキリがないけど、別にこれはインドが旧体制だとか女性に厳しい話として見るわけでなく、マジで自分ごとと思って見ざるを得ない。これを映画に昇華するのはインド強強でしかない。

セリフの言葉数少ないながら、釘付けになる。美味しそう〜とか言ってるうちにどんどんヤバい。カメラの回し方も良かった。
あさ

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