ねこさかhal

スターダストのねこさかhalのレビュー・感想・評価

スターダスト(2020年製作の映画)
2.5
ある意味すごいジャンルかも??ふんわり違うことは分かっているのに、最後まで見てしまった。ラストに腹も立たない。むしろこれが映画(当たり外れ)なのだと納得さえする。ちょっといい客入りと、デヴィッドボウイの音楽が見せた幻想か。劇場という空間で、トイレに立つ人を見送りながら、なんとも言えない光を浴びる。非常に映画館である。

内容は、まず最初からちょっと観客を置いていくきらいがある。(私も悪い。ドキュメンタリーというから、ボウイのライブ音源を劇場音響で浴びれるものと思い込んでいた)はじめから、ボウイや当時の音楽事情は知っている前提。(ロックの歴史読んでてマジでよかった)ミステリアスに描くのは精神病の不安だが…弱い。しかし、全体的に少し引いた視点になったからこそ、狂気とは何か冷静に見つめること、不思議な浮遊感を生み出すことに成功しているのかもしれない。浮遊感とは、映画それ自体ではなく、劇場全体を見廻し観客として時を過ごすのだという緩やかな自意識の心地よさである。
ボウイ役、話し方は似ているが外見は…?
まぁ、歌手なので声が大事か。劇中、ロックスターとそれを真似するものになんの違いがあるか問う。それへの返答か。個人的には、星になったものと星を追うものは同じ輝きを秘めるという意味に受け取ったが。
自分がわからないなら、それができる誰かになってしまえばいい。無理やりな気もするが、意外と力強いことばである。なりたい存在になる。
イギーポップ。ロックスターと狂気。実は私達と変わらない。ただ、それを隠すか表現するかの違い。だからこそ、魂に届くのだ。
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