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手紙と線路と小さな奇跡のxavierのレビュー・感想・評価

手紙と線路と小さな奇跡(2021年製作の映画)
5.0
その線路は夢に続いている…
線路はあるものの、駅がなく列車が停車しない村に住むジュンギョンは、姉のボギョンと毎日往復5時間かけて高校に通っている。彼の夢は村に駅を作ることで、機関士の父テユンの反対にもめげずに大統領府に54通の嘆願の手紙を出し続ける。クラスメートのラヒは、そんなジュンギョンの夢の実現に向け、様々な提案をする…
ストーリーはこんな感じ。
個人的には、去年観た作品の中でNo.1
の作品。
作品の前半は、ほぼほぼジュンギョンとラヒの話。
この話が笑えるんだよなぁ…
ジュンギョンはそれほどでも無いのに
ラヒの猛アタックぶりと来たら…
普通の女優が演じたら、あざとくなるんだろうけど、ユナが演じてるもんだからカワイイが勝って…
とバカップルぶりが面白かったです。

話のトーンが変わってくるのは、ジュンギョンが作った信号で"ある事件"が起きた時。
それまで観ていて、ずっと気になっていた事…
学校までかなり遠いのに、何故ジュンギョンは村から離れないんだろう?
姉との関係は良好なのに、ジュンギョンは父と会話をしないんだろう?
何故、父はジュンギョンに冷たい?
それは、ジュンギョンが4年生の時に起きた"ある事"にあった…
もう、そこからは事あるごとに涙が…

すっかりやられました。気をつけていれば、早い段階で"あれっ?"と思ったはずが、ジュンギョンとラヒの楽しそうな姿に、気を取られ気が付かなかった…

話としては、ベタな部類で心が揺さぶられる事は無かったんだろうけど、俳優陣の演技が良すぎ。
特に良かったのはジュンギョン役のパク・ジョンミン!
"それだけが、僕の世界"のサヴァン症候群の天才ピアニストも良かったけど
それ以上に良かった。
ド天然で笑える事が多いジュンギョンだけど、その裏には辛い思いを抱えている。それを嫌味なく醸し出しているところは、やっぱ凄い!
そしてそれに負けず劣らずなのがテユン役のイ・ソンミン!
最初は、余りにも喋らないので"寡黙な父親役なんだろうな"って思っていたんだけど、その裏にはあんな思いがあったのか!って解るジュンギョンとのシーンは、涙が止まらず…
ホント、この2人は凄かった!
そして何気に姉ボギョンも良かったんだよね。姉として、ジュンギョンに時には寄り添い、またある時は叱り励ます…その姿は、ホント心が揺さぶられましたね。

そして何よりも観終わった後、温かい気持ちになる…
そこは、ホント素晴らしい!
久々、観たけどやっぱ良かったです。

因みに今年は、今のところ"RRR"がNo.1
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