『殺人鬼から逃げる夜』をFan’s Voice独占最速オンライン試写会にて鑑賞。
耳の聞こえない女の子が殺人鬼から逃げるって『見えない目撃者』の聴覚障害者版なんだけど、けっこう普通のスリラーだった。
「耳が聞こえない」という設定を映画の効果として活かしきれていない。
「耳が聞こえない」という状態を上手く表してたのは『サウンド・オブ・メタル』が挙げられるが、『サウンド・オブ・メタル』のように主観視点が主人公の時は雑踏の中でも音を消すとかすればいいのに、恐怖を煽る音楽をかけてしまうから、普通のスリラーとあまり変わらない。
犯人も連続殺人鬼なんだけど、計画性もないし、かなり行き当たりばったり。たまたま口八丁で切り抜けてイライラさせてくれるけど、ここまで大胆にやってれば破滅に向かうのは必定という感じ。
ストーリーの展開もグダグダしていてもう一つスッキリしない。
ラストはいい。
だけど、そこまで持っていくまでに、例えば、母と娘で音を立てずにコミュニケーションを取れる手話で連携して犯人の裏をかくとか、
逆にわざと瓶を割ったり大きな音を立てて犯人の注意を逸らすとか、ものすごい騒音の中だからこそ耳が聞こえない者のイニシアティブを発揮するとか、
「耳が聞こえない」ことをハンデにしない逆転劇を描けたんじゃないだろうか?
犯人に命乞いはさせたくなかったな〜。
ただ主人公を演じたチン・ギジュはかわいい! 守ってあげたくなる!
それにメチャクチャ足が速いw。基本犯人追いつけないし。
あと『シャイニング』オマージュもあったね〜。
おもしろくなかったわけじゃないけど、もっとおもしろくできたはず。そういう隙はいっぱい感じられた映画でした。
*韓国って街中に警報ブザーがあるのね。知らなかった。