ハード・ヒット 発信制限の福福吉吉のレビュー・感想・評価

◆あらすじ◆
パルン銀行支店長のソンギュ（チョ・ウジン）は子供を車で送っている最中、見覚えのないスマホが車にあって電話がかかっていたので受けたところ、何者が車に爆弾を設置したことを告げられ、車から降りると爆発し、金銭を要求してくる。ソンギュと子供たちは車の中に閉じ込められることになった。

◆感想◆
平和な朝の風景から突然、爆弾による命の危険にさらされる銀行支店長の姿を描いた作品であり、見覚えのないスマホが発見されてから不穏な雰囲気が醸し出され、爆弾が現実のものと理解してからの緊迫感が急上昇して目の離せない展開が楽しめました。

ソンギュは娘のヘイン、息子のミンジュンを連れてくるまで学校に送っていたところ、犯人からの理不尽な要求を受けて奮闘することになります。ソンギュは仕事人間であり、子供との時間を少ないことが描かれていました。しかし、犯人からの電話をきっかけに彼は子供たちを救うべく命がけの戦いに挑みます。犯人が全てを掌握している中で、必死にもがく彼の姿はキリキリと精神が締め付けられるような気分になりました。

そして、最初はそっけなかった子供たちもソンギュに助けを求め、また、親子の愛情を強く感じるようになっていきます。このあたりのさじ加減が絶妙だったと思います。特にヘインの行動には大変驚かされました。

犯人側の情報が終盤にならないと明らかにならないので、ストーリー大半を何者か分からないまま行動を要求されていて、観ている側としてもソンギュと同じ気持ちになりました。

ソンギュは警察との接触を犯人に禁じられているために再三にわたり、警察から逃走を図ります。パトカーとのカーチェイスは非常に激しく、なりふり構わないソンギュの気持ちが現れているような走りで楽しめました。

ラストの展開は少し強引な気もしましたが、コンパクトにまとめていて良かったと思います。

なかなか面白かったと思います。警察は今回も駄目でした。

鑑賞日：2024年4月30日
鑑賞方法：CS ムービープラス
（録画日：2023年12月4日）