瀬賀喜太郎

ニトラム/NITRAMの瀬賀喜太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

点数はつけられませんでした。

敢えて乱暴に一括りにして語るならば「無敵の人」のお話。

自分の身近に彼が居たならと考えると、自分はどうしただろう。
おそらく何もしない気がする。
嘲笑う事もなければ優しく接する事もない。
自分には関わりのない人として扱う様な気がする。
そのうえでこんな事を言うのは偽善以外の何物でもないと思うが、どこかで彼が踏み留まる事が出来る何かがあればと思う。
観終わってからずっと考えてる。

特に印象に残ったシーンは父親の様子を心配する彼が父親を殴りながら声をかけるシーン。
「わかったから殴るのを止めてくれ」というのが精一杯の父親と二人の様子を止めるでもなく見続ける母。
あのシーンの異質さがずっと頭から離れない。

この映画を観てジョーカーの時みたく「自分も彼になれる(原文ママ)」って語っちゃうのも怖いし、「全く理解できませんでした。」で片付けちゃうのも違う気がする。

最後に出てきた「この事件を機にオーストラリアでは銃規制が強化され多くの銃が回収されたがそれはごく一部に過ぎず、今でも多くの銃が出回っている(要約)」という一文がすごく刺さりました。