あまんだ

ニトラム/NITRAMのあまんだのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
3.7
90年代中期に起きた、オーストラリアの銃乱射事件を元にした話。

90年代だと、今程、発達障害やボーダーライン等に焦点が当てられておらず、日常生活を過ごせている以上、ちょっと変わってる人、または、心無い言葉で言うと、鈍臭い人、のように思われて、非常にも周囲から外れていってしまうニトラムのような人が多かったように思う。とは言え、このような事件を起こす人は、圧倒的少数なので、それはただの一因に過ぎないが。
あの家族が、何とか家族として成り立っていた
のは、圧倒的に父在りきで、息子の状態に苦悩しながらも、息子を持て余し気味の母に変わり、愛情で深く包み、息子と母を繋いでいた。
恐らく、母にもニトラム程顕著では無いものの、通常とは若干異なる感覚の人であったのではないだろうか。(ニトラムが、苦しい胸の内を打ち明けた時の母の反応が、あ、そうなんかなー…。て、感じやったし。)
しかし、その父がああなり、かつ、母に替わる愛情を注いでくれたヘレンもああなった事で、孤独さに拍車をかけたニトラムの暴発。
波の音のみのエンディングが、また、複雑な余韻を残した。
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