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ニトラム/NITRAMのKのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
3.8
いわゆる鬱映画として紹介されており気になっていた作品。実際にあった事件を扱っているとは知らずに視聴。花火。「懲りたけど花火はやるよ」。名前を呼ばなれない主人公。ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ氏の整った顔と大きな身体を見ていると、何となく香取慎吾さんを思い出す。蜂。サーフボード。芝刈り。犬の散歩。ピアノ。エアバッグ。ボルボ。牡牛座。生地の筒。エアライフル。ロサンゼルス。つき慣れている様子の嘘。ナンパ。きっと母にそうされてきたのであろう接し方。「こうすべきなんだ こうやるんだ」。おしゃれと帽子。母もまた何かを抱えていそうな様相。「時々僕は自分を見て…分からなくなる 誰を見ているのか」。着替え。鏡の中の自分。動物たちへの配慮。フルーツカップとジュース。ビデオカメラ。実在の母が本作を観たらどう思うのだろう。擁護しないが寄り添いはするという作り手のバランス感覚がすごい。自分も含めて誰もがこうなり得るという感覚。一言でいえば哀しい映画。それと同時に美しくもあった。無音。
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