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ニトラム/NITRAMのNapponのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
3.8
オーストラリア・タスマニア島の観光地、ポート・アーサーで起こった大量殺人事件を元にした作品。
事件、犯人であるマーティン・ブライアントについて、忠実に作られている。

主人公ニトラムに見覚えがあると思ったら、B.クローネンバーグの「アンチヴァイラル」。今回もハマり役。
(ちなみに、ニトラムの母は、D.クローネンバーグの「裸のランチ」に出ている)

ストーリーとしては、何とかならなかったのだろうかという、やるせなさが余韻として残る。ニトラムよりも、両親に気持ちがもっていかれた。たしかに、ノーマルさを求める母、優しすぎる父ではあったが、虐待をした訳でもなく手をかけて育てていたはず。
もう少し外からの支援があったとしたら、違う結果になったのだろうか。
(銃規制は大前提として)

ラストショットが重く、そして画が美しく、映画的締め方は好みではあった。
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