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わたしは最悪。のスミスのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
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真正面から食らってしまって立ち直れない。地面にめり込んでしまいたい。こんなにも強い「私み」を描いてほしくなかった。先日30歳を迎えたばかりだから余計しんどい。数年後に見返して、「こんなときもあったなぁ」と客観的に思える日が来るといいのだけど。

“仕事も恋愛も次々目移りしてしまう”のは、ユリヤの場合は好奇心の旺盛さからではなく、目の前のことから目を逸らしたいからなんだろうな。いつでも現実から逃げ出したいよね。だって自分の思い描いている自分じゃないんだもん。そうなれないんだもん。だから自分も周りの人も傷つける。そんな自分は、「最悪」。


いやしかしこの全編に渡る「妻にも母にもなりたくない(なりたいかどうかわからない)」という気持ち、よく描いてくれたなぁ。だって女がこれ言うのは本来タブーでしょ。このへんは『ロスト・ドーター』がダブった。世間は夢を見すぎだと思う。「女に生まれたからにはみんな子どもを産み育てたいと思っていて、母になる前から母性に溢れている」なんて、そんなわけないじゃないか。

ただ、そんな描かれ方がありながら、全体を見た時にフェミニズムを丁寧に扱っているとは言いがたいところも多くて、なかなかモヤってしまったのも事実。やや寂しい気持ちもある。
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