柘榴の帽子

わたしは最悪。の柘榴の帽子のレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
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情報も技術も可能性も多様にある現代で振れ幅の大きい人生を送っているユリヤはとても同時代的な気がしたし、個人的にかなり共感できてしまう。

そういう意味でアクセルはユリヤと対照的な面があり、アクセルもそれが分かっているからこそユリヤに惹かれているんだろうな…と胸が締め付けられた。対してアイヴィン…結局私たちは様々な価値観の中を揺れながら生きているんだねと思い知らされた…

男女差に関する議論やアートの加害性の話が所々に織り込まれていたのも見逃せない。わざとらしいと言われればそれまでだけど、映画というメディアで積極的に取り上げていくことにはすごく意義があると思う。特にアートの加害性に関しては本作に対する批評も含む入れ子構造になってて大事だな…と思った。
柘榴の帽子

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