自分の中にある、世界にちゃんと参加できていない感覚。
それを何とかしたくて、もがいているとき、満たされたような気持ちにさせてくれるのが恋愛だ。
だけど、もちろんそう簡単には埋められなくて、その焦燥を不用意に相手にぶつけて、傷つけてしまう。足りない部分は、新たなときめきで補おうとする。
そんなサイテーで、自分が見えてない、そのくらい自分に一所懸命な感覚に、確かに覚えがある。ありすぎて嫌になる。
いつになく主人公にイラつくのは、そこにかつての自分を見るからなのか、それとも今もなお自分にはそういう部分があるということなのか。怖くて考えたくない。