せいけ

わたしは最悪。のせいけのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
5.0
映画が始まってから終わるまで自分が好きな要素で満たされていた
自分が分からず右往左往する人間は見ているだけで興味深く、キャラクター性としては地に足着いていないが演技としてはとても実在感を感じられてずっとこの人の行動を見ていたいと思わされる
手持ちとフィックスを絶妙なバランスで配置されたカメラアングルとマジックアワーをここぞで映し出すなど撮影も見事な仕事ぶり
フレーム内フレームを多用した構図も見ていて心地よくそれがテーマとも一致していてまさしく映画的な快感に溢れている
ウィットでシュールな会話劇やヨアキムトリアーらしい大胆な飛躍を用いた映像表現など見どころも多い
見ている間もずっと面白いがふとした瞬間に良さを思い返せるようなそんな作品だと思う