tomohitooguro

わたしは最悪。のtomohitooguroのネタバレレビュー・内容・結末

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

期待しすぎた感は否めない。ユリアに共感できなかったのが原因かな。

ファーストカットの黒ドレスでタバコ吸ってるユリアのシーンはマジで良かった。しかし何故このシーンを特別にしているか不明だった。実際には第二章の冒頭の映像なのだが純粋に映えを狙っているだけかもしれない。まあでも最高の映えではあったが。

プロローグでユリアが環境問題や貧困など世界で起きている様々な問題に対して無力である自分についての言及があったが、これについてその後何もなかったのが残念。あとプロローグで、過去を振り返ったときアクセルが最高だったみたいな語りがあったせいで物語の展開が多少仄めかされたのが余計だった気がする。

第一章で語られた子供つくるつくらない問題。これは多様性の現代では答えがない。その感じがよくでていて良かった。

アボカドを経由した環境問題に少しかすったがもう少し掘り下げてもよかったと思う。それがあればプロローグでの社会問題への回答的なものも示せたのではと思う。

浮気相手が何故浮気したのかをコミカルかつ丁寧に描いていてよかった。浮気相手の元カノの方が環境への配慮がありそうだったが結局はSNSを意識しているような感じだったのも皮肉っぽくてよかった。

この映画で自分が白眉だと思うのは。アクセルのアートに対する情熱だと思う。映画化で大衆化されるサブカルへの嫌悪感やフェミニズムという大義でぶっ叩いてくるマジョリティ側の意見に対する自己主張などには感動した。女性蔑視は絶対だめだが。

時間静止の演出は木々が風でそよいでいたので完全アウト。自分と彼しか動けない世界で彼のことしか考えられないという描写なのだから風景も止めといてほしかった。

マジックマシュルーム演出はなかなか良かった。風邪をひいた時に見る悪夢のようで面白かった。トレインスポッティングのヘロイン演出のマネで終わっていなくて良かった。

アクセルのエアドラムはまじで最高だった。
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