えなり

わたしは最悪。のえなりのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
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人生においてひとつひとつの選択が重要になるのは、命に限りがありものごとには必ず終わりというものがあるからなのかも。死が迫る元パートナーによる「自分には現在も未来もないから人生を振り返ることしかできない」という独白によって、主人公ユリヤの迷走続きの人生が「選択できる自由」そのものであることが強調される。
個人的にはこのシーンで施設に入る父に面会する度に感じているしんどさを思い出す。人生の選択を自分でできない父を目の前にして、私だけが将来にあらゆる可能性を許されていて良いのだろうか。けど私は誰かのために限られた選択肢の中でしか歩めない人生にはしたくない。私は半年間ずっと悩み続けているのに、ユリヤはあまりにも自分の人生を生きていて羨ましくも妬ましくも思えた。
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