タナカ

わたしは最悪。のタナカのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.7
曲がめちゃくちゃ良い映画。
何者かになりたいけどなれないモラトリアムを抱えるユリヤと、それを取り巻く恋愛模様。リコリスピザを思い出した🍕

私は、まだ30代になっていないのでなんとも言えないが、学生の頃や20代の前半に似たような経験をした人も多いのではないだろうかと思う。
モラトリアムから抜け出せず、何者かになりたいけれど、何者になれるのかが分からなくて自分を模索する時期のような。大学生の頃にこの作品が公開されていたら、もっと感情移入出来たのではないかと思う。
私が30代になったらまた、モラトリアム期が訪れる事もあるのかもしれないのでその時はもう一度見直したい。

別れを切り出された時のアクセルの反応が可哀想で仕方ないのだけれど、アクセルへの劣等感が凄すぎて一緒にいると疲れてしまうのも分からなくもない。
そもそも、年齢差があるのでアクセルのような精神年齢の高い相手だと、ユリヤが下に見られても仕方がないと思う。むしろ年齢差のある年下の恋人を持つ人から見ると、恋人でもあり、娘のようでもある、的な関係性を持つ人も多いのではないかと思う。
それをお互いに受け入れられるような関係性が出来ているのであれば別だけれど。

嫌な見方かもしれないが、アクセルに比べてアイヴィンの方が、ユリヤへの接し方や職業なども含めて自分よりも下だと思わせるような人だったから、好きになったように見える。劣等感を感じず、見栄を張らなくても良い相手。アイヴィンに失礼だろと思ったけれど、近くにいたら絶対にアイヴィンの事好きになってしまうだろうな〜と思う。

ユリヤみたいな女の子が恋人の友人にいたら本当に嫌だな...
タナカ

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