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コンパートメントNo.6のImmenseeのレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
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むっつり顔のラウラが 最後に最高の笑顔を見せてくれた!

吹雪の中、ほんのりと、しっかりと、伝わってくる暖かさ。

他のユーザーの感想・評価

いの

いのの感想・評価

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監督の前作品は、読書で例えるなら読後感が唯一無二。読書中に味わっている感覚と、読後に心に染み渡らせるときとの感覚の相違。凡庸だと思っていたらそれは大いなる勘違いでいつのまにか静かな良作へと昇格しているというような。それはうれしいこと。それはよろこばしいこと。オリマキ君はそんな作品だった。



今作もそうなるといいな。そうなったらうれしいな(まだそうなってない)。まるで自分が列車に乗って旅してるときと同じように私はウトウトしては時折目が覚めた。いつの間にか仲良くなっとるし、いつの間にか○○しちゃってるし、いつの間にか食堂行っちゃってるし、いつの間にか列車から降りちゃってたし。ペトログリフって何なんだ! でもウトウトしてたこと後悔してないし、また観てもそうなっちゃう気がする。いつもガラガラなのに何故か混んでた映画館。それはよろこばしいこと。頭の揺れ具合から前の座席の方もウトウトしてたことがわかる。更にその前の座席の方も同じく。もしかしたらそれもよろこばしいことなのかもしれない。偶然居合わせた観客と同じ体験を分け合うこと。それはこうやって記すことで出来事として心に刻まれる。
muninn

muninnの感想・評価

3.6
他者との出会いを通して内なる自分と対峙する。劇中の風景は極寒の雪景色がほとんどだが、それとは対照的に時間が経つにつれてラウラとリョーハとの関係はじんわりと熱を帯びていくような、そんな作品。
Mak

Makの感想・評価

3.4
フィンランド出身の女性が彼女と離れて1人旅を電車でするのだが、最初は笑顔もなく、彼女と離れて寂しいけど、同じコンパートメントのロシア男性と交流していく中で、自分を知り、ロシア男性との楽しい時間を楽しみ、最後は笑顔になる映画。
斎藤耕一監督の「約束」にいろいろ似てました。
「約束」はワケアリ女、岸惠子とお調子者のショーケンが列車で乗り合わせるお話で、たいへんな傑作です。
todo

todoの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

幸せは人間関係で決まると言いますが、
選り好みをせず色々な人と関わって、
自分自身が好ましい”雰囲気”を見つけていきたい、そう思える映画でした。

ラウラはイリーナに恋をしたのではなく、
イリーナが作る雰囲気の一部になりたかったと本人が語ってました。
ただ実はそこに息苦しさを感じていて、
“ここじゃない感”をなんとなく感じている。

1人で行くことになったムルマンスク、
そこで出会ったリョーハ。
リョーハはラウラが今まで自分が描いていた自分の雰囲気とは真逆をいく男。

ただなんだかんだ彼と時間を過ごす中で、
次第に恋に落ちていく。

この恋は、ラウラ自身が新たな経験や体験を通して、彼女自身の描く理想の雰囲気が鮮明になったが故に始まった恋だと思います。

こうやってみると恋に恋してるみたいにな感じですが、作中にあったセリフの様に、
“女性は強い、自分自身の中で自分の幸せを描いている、それに従いなさい”というセリフを踏まえると、ラウラ自身が新たな一歩を踏み出したとも言える思います。

ラストシーンでは連絡先を知らないままリョーハと別れますが、彼が残したメッセージ
”くそったれ”を読んで吹き出し、
前向きに人生を歩んでいく描写になります。
(フィンランド語、彼は愛してるという言葉と勘違いしている。ラウラが間違って教えた)

リョーハとの恋も進展しないかもしれないけど、それも糧にポジティブに進んでいく姿が、爽やかで気持ちが良かったです。

終盤までは陰鬱な雰囲気が漂う演出で、
ラウラの心情を本当に上手く表現しているなと感じました。
ラストシーン含めた光の使い方が感銘を受けました。
Yumi88

Yumi88の感想・評価

3.6
自分で言った言葉って、自分に返ってくる。
最後にニヤッとした。
ルル

ルルの感想・評価

1.9

このレビューはネタバレを含みます

男があそこまで主人公に執着するのが分からない(一目惚れだとあんな感じになるのか?)のと、初対面時があんなのでも男を受け入れていく主人公が自分には考えられなくて関心が薄れていった。第一印象が最悪から始まる恋みたいな10代の恋愛ものがして自分には合わなかった。途中で別の男をつれてきた主人公も、それで不機嫌になる男も幼くて好みでない。
ラストの手紙も、普通に愛してると書かれていて「私と話したくて知らないフリしてたんだ」な微笑みの方が自分の好み。自分が教えた言葉が書かれていたのも当たり前で面白くなく、それを言われなくても男を見てたら彼女に好意持ってるの分かるじゃん、と意地悪な見方をするぐらい自分には合わない作品だった。
りほ

りほの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

打ち砕かれた時に、誰がに縋って話したくなるし、そこで話を聞いてくれた人のことを、好ましく思う気持ち

かえが聞く存在で甘く見られてるのがわかっていて
彼女の眼差しが好きだっただけだから、死ぬべきなのは私

知識人と鉱夫

最初のクソみたいな絡み方は、彼が職場に行くまでの楽しみ方?人が好き?でもスウェーデン語しか話せない彼とは仲良くならなかった。
見る目あるんだろうなぁ

新聞投げ合う

犬に連れられて素敵な経験をする、たまたま同室での素敵な経験の予期
「たまたま出会った人でも親切なことはある!と思ったらすぐ、不機嫌な同室人」

カメラを取られたやるせなさ。信じてたのに、、なお、彼のことがよく見える。

この場を楽しめれば良くて、連絡先なんていらない彼

恋愛関係になりたいわけではなく、

レセプションに、仕事で、とは言わず「事情があって」というわかってる彼女は、列車で整理できたよう

一緒に連れ添ってくれる彼

なんでそこに行くのかは理解できない、という様子だけど、そこに行きたい理由があるなら一緒に行ったるよ、っていう適度な距離感が良い

そしてまた日常に戻る

偶然の出会いに、空っぽの心が潤っていく過程が、彼女の心からの笑顔が、素敵な作品でした!

第三者だからこそ、の繋がれる形
mikan

mikanの感想・評価

3.8
🇫🇮から🇷🇺にやって来た女の子がひょんな事から一人ペトログリフを見に行く事に…寝台列車、相席の粗野な男とのロードムービー。
遠い距離と思い出に揺れつつ関係を育む彼女と男を暖かく繊細に描く。
どちらも不器用だし、気難しいところがあるけれど、なんとなく居心地が良い距離感が素適だった。もう一度見たい。
乗り物に載っているシーンが多く、見ている途中に少し酔ってしまったので、人によっては注意したほうが良いかも。
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